Have you seen my glasses?
どこかで、かつて英会話学校に通ったことがあると書いた. ここではそのときの自慢を少々. 今,英会話学校に通っている,通おうとしている人には参考になるかも.
英会話学校といえばロールプレイ. うちのかみさんはこれが大嫌いのようだ. 私は好きだが. なんでも何を話していいかわからないのだと言う. いきなり「ホテルのロビーにて」でロールプレイをしろといわれてもまあ普通はこまるわな. 特に正直な人ほど困るようだ.私のような法螺吹き(トロンボーンより法螺の方が得意)には何でもないのだが.
私の通っていた英会話学校のロールプレイには一応台本が用意されていた. 受講者は台本を憶えていかなければならない. もちろん台本から逸脱しても問題はない. 会話の練習が目的なのだから. たいていの受講者はこの台本を憶えるのに手一杯かもしくは台本をこなせばいいんだという考えのようだったが,それでは喋れるようにはなるまいと思う.
それは「前置詞の使い方」の回だった. ロールプレイは“Have you seen my glasses?”ではじまったあと,「なんとかの上はみたか」「どこそこの中はどうだ」「なんとかの下のかんとかの中」とか前置詞てんこ盛りの台本が用意されていた. 中には冷蔵庫の中とか洗たく機の下とか「おいおい」と思うような場所まであった. 最後は「そんなとこにあるとは思わなかった.」という落ちがついておしまい. これを生徒は台本なし,講師は台本を見ながらやるわけであるが,講師の裁量で内容を易しくしたり,短くしたりもできる. なんせ眼鏡を見つければそれで一回のロールプレイはおしまいになる. この間ネイティブの講師が発音や表現をチェックする. これを攻守ところを変えて二回はやることになっていた. グループレッスン(多くても5人程度までだった)で生徒の人数が奇数(3人だったかな)であったため私は講師(ネイティブ)と組むことになった.その講師は眼鏡をかけたにいちゃんだった. (私はそれよりまだ若かったころだが.)にいちゃんの先攻である.
Have you seen my glasses? Yes. They are on your nose!
にいちゃんの目がキラリと光った.(おいおい,眼鏡が蛍光灯の光を反射しただけだって.) にいちゃんは眼鏡をはずすと,眼鏡が無いと何にも見えないとかいいながら教科書を机に伏せた.
Have you seen my glasses?
にいちゃんは台本を憶えてはいなかった. ここからガチンコ勝負がはじまった.どちらが先に音を上げて眼鏡を見つけるか. (見つけたことにするか.)結果はあえて書くまい.
攻守変わって,マイターン. 当時私は普段サングラスをしていた. さすがに教室では胸ポケットにいれていたが.
Have you seen my glasses? Yes. They are in your pocket!
おいおい,もう一回あれをやるのかよ.
授業時間の半分近く二人で漫才をしてたな.英会話学校ってのはたいがい受講料がばか高いもんだが,元を取ったと感じた一日だった.グループレッスンの他の人たちごめんなさい.