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微分方程式の解
はじめに
ポテンシャルエネルギーが一定値をとる領域でのシュレディンガー方程式は $$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)+Af(x)=0 $$ のような形であらわされるが、この形の微分方程式は古典力学における調和振動子の運動方程式や、電磁波を記述するマクスウェル方程式、最も簡単な交流回路など様々な問題に対して共通にあらわれる基本的な微分方程式で、二階定係数線形斉次常微分方程式などと呼ばれている。
$a$を虚数まで含めて許すとすると$A=-a^2$とおいても、一般性を失わないので$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)-a^2f(x)=0 $$ のように書くことができる。
微分演算子と定数とは可換(交換可能)であることを思い出すと方程式は
\begin{align} \frac{d^2}{dx^2}f(x)-a^2f(x)&=\left(\frac{d^2}{dx^2}-a^2\right)f(x)\\ &=\left(\frac{d}{dx}-a\right)\left(\frac{d}{dx}+a\right)f(x)=0 \end{align}
のように書くことができる。 $$ \left(\frac{d}{dx}+a\right)f(x)=g(x) $$ とおくと、もとの二階の微分方程式は $$ \left\{\left(\frac{d}{dx}+a\right)f(x)=g(x)\\ \left(\frac{d}{dx}-a\right)g(x)=0\\ \right. $$ の二つの連立一階微分方程式になる。
一階線型斉次常微分方程式
$$
\left(\frac{d}{dx}-a\right)g(x)=0
$$
は最も単純な微分方程式で
$$
\begin{align}
\left(\frac{d}{dx}-a\right)g(x)&=0\\
\frac{dg(x)}{dx}&=ag(x)\\
\frac{1}{g(x)}\frac{dg(x)}{dx}&=a\\
\end{align}
$$
と変形し、両辺を不定積分すると
$$
\int\frac{1}{g(x)}\frac{dg(x)}{dx}dx=\int adx = ax + C_1
$$
となり、左辺は
$$
\int\frac{1}{g(x)}\frac{dg(x)}{dx}dx=\int\frac{1}{g(x)}d(g(x))=\ln |g(x)|+C_2
$$
となる。ただし、$C_1$, $C_2$は任意の定数(積分定数)である。したがって、
$$
\begin{align}
\ln |g(x)|+C_2&=ax + C_1\\
|g(x)|&=e^{ax+C_1-C_2}\\
g(x)&=\pm e^{C_1-C_2}e^{ax}\\
\end{align}
$$