SST Lab Dokuwiki Header header picture

ユーザ用ツール

サイト用ツール


lectures:微分方程式の解法

差分

このページの2つのバージョン間の差分を表示します。

この比較画面へのリンク

両方とも前のリビジョン前のリビジョン
次のリビジョン
前のリビジョン
lectures:微分方程式の解法 [2020/08/24 17:05] – [一階線形非斉次常微分方程式] kimilectures:微分方程式の解法 [2022/08/23 13:34] (現在) – 外部編集 127.0.0.1
行 8: 行 8:
 のような形であらわされるが、この形の微分方程式は古典力学における調和振動子の運動方程式や、電磁波を記述するマクスウェル方程式、最も簡単な交流回路など様々な問題に対して共通にあらわれる基本的な微分方程式で、二階定係数線形斉次常微分方程式などと呼ばれている。 のような形であらわされるが、この形の微分方程式は古典力学における調和振動子の運動方程式や、電磁波を記述するマクスウェル方程式、最も簡単な交流回路など様々な問題に対して共通にあらわれる基本的な微分方程式で、二階定係数線形斉次常微分方程式などと呼ばれている。
  
 +$A=0$のときは二階微分が零になることから$f(x)$は一次関数にならなくてはならない。そこで
 $a$を虚数まで含めて許すとすると$A=-a^2$とおいても、一般性を失わないので$$ $a$を虚数まで含めて許すとすると$A=-a^2$とおいても、一般性を失わないので$$
 \frac{d^2}{dx^2}f(x)-a^2f(x)=0 \frac{d^2}{dx^2}f(x)-a^2f(x)=0
 $$ $$
-のように書くことができる。+を考えることにする。ただし、$a\ne 0$とする。
  
 微分演算子と定数とは可換(交換可能)であることを思い出すと方程式は 微分演算子と定数とは可換(交換可能)であることを思い出すと方程式は
行 64: 行 65:
 $$ $$
  
-$\pm e^{C_1-C_2}$を新たに定数$C$とおくことにより、+$\pm e^{C_1-C_2}$を新たに定数$C_3$とおくことにより、
 $$ $$
-g(x)=e^{ax}+g(x)=C_3 e^{ax}
 $$ $$
 と$g(x)$を求めることができる と$g(x)$を求めることができる
行 77: 行 78:
 $$ $$
  
-を考えよう。ここで$g(x)=0$であれば前述の斉次方程式と同様に計算できて$f(x)=C exp(-ax)$の形の解になるはずである。任意の実数$a$, $x$について$e^{-ax}\ne 0$であることを使うと+を考えよう。ここで$g(x)=0$であれば前述の斉次方程式と同様に計算できて$f(x)=C e^{-ax}$の形の解になるはずである。任意の実数$a$, $x$について$e^{-ax}\ne 0$であることを使うと
 $$ $$
 u(x)=\frac{f(x)}{e^{-ax}} u(x)=\frac{f(x)}{e^{-ax}}
行 95: 行 96:
 \begin{align} \begin{align}
 \frac{d u(x)}{dx}&=e^{ax}g(x)\\ \frac{d u(x)}{dx}&=e^{ax}g(x)\\
-u(x)&=\int ^{ax}g(x)dx+u(x)&=\int e^{ax}g(x)dx 
 +\end{align} 
 +ここに$g(x)=C e^{ax}$を代入すると、 
 +\begin{align} 
 +u(x)&=\int e^{ax}g(x)dx\\ 
 +&=\int C_3 e^{2ax}dx\\ 
 +&=\frac{C_3}{2a}e^{2ax}+D
 \end{align} \end{align}
  
 +したがって
 +$$
 +f(x)=e^{-ax}g(x)=Ce^{ax}+De^{-ax}
 +$$
 +ここで$\frac{C_3}{2a}$をまとめて$C$とおいた。
 +===== まとめ =====
 +以上のことは$a$が一般の複素数の場合にも成り立つので$a=ik$とおくことにより、$b\ne 0$に対して
 +$$
 +\frac{d^2}{dx^2}f(x)+k^2f(x)=0
 +$$
 +の解は
 +$$
 +f(x)=Ce^{ikx}+De^{-ikx}
 +$$
 +となることがわかる。
 +
 +まとめると、
 +$$
 +\frac{d^2}{dx^2}f(x)+Af(x)=0
 +$$
 +の形の微分方程式(ただし、$A\ne 0$)の解は、
 +
 +$A<0$のとき$A=-a^2$とおくと
 +$$
 +f(x)=Ce^{ax}+De^{-ax}
 +$$
 +$A>0$のとき$A=k^2$とおくと
 +$$
 +f(x)=Ce^{ikx}+De^{-ikx}
 +$$
 +となる。
 +この結果は今後、特に証明等を行わずによく用いる。
lectures/微分方程式の解法.1598256338.txt.gz · 最終更新: 2022/08/23 13:34 (外部編集)

Donate Powered by PHP Valid HTML5 Valid CSS Driven by DokuWiki