こんな文章を考えてみましょう。
This information is all contained in the Hamiltonian which is the central quantity for any theoretical treatment.
辞書を引かなくても、構文分解はできるはずです。重要なことは修飾関係を正しく理解することです。たとえば、
主語 受動態 先行詞 関係代名詞 This information is all contained in the Hamiltonian which is the central quantity for any theoretical treatment. 〜される 〜の中に 〜に対して
ぐらいは辞書をひかなくてもわかるでしょ?そこで、こいつを
This information は any theoretical treatment に対して central quantity である Hamiltonian の中に all contained in されるぜ、ベイビー
といくわけです。これをうちではルー・大柴方式と読んでいます。
この場合には、allとかanyとかニュアンスをつけている言葉の方を先に訳出していきます。
この information は<fc #ff0000>どんな</fc> theoretical treatment に対して<fc #ff0000>も</fc> central quantity である Hamiltonian の中に<fc #ff0000>全て</fc> contain される
急いでいるときは、これで予習は終わりです。(おいおい、ほんまにここで終わるなよ。)
じゃあ後は時間の許す限り、順番に辞書をひきましょうね。
まづは動詞をひきますか。
動 詞•他動詞
というわけで、「contain される」=「含まれる」ですね。そうすると
この information はどんな theoretical treatment に対しても central quantity である Hamiltonian の中に全て<fc #ff0000>含まれる</fc>
次ぎ、形容詞いってみましょうか。
形容詞
形容詞⦅主に限定⦆
さあどの訳語を選びましょうか。その前にこの二つの形容詞は
形容詞 | 名詞 | 名詞の意味 |
---|---|---|
theoretical | theory | 理論 |
central | centre1) | 中心 |
のように、どちらも単純な意味を持った名詞から派生した形容詞です。日本語にはこういうときにとっても便利な言葉があるじゃあないですか。つまり私的にはこれらを
形容詞 | 名詞 | 名詞の意味 | 形容詞的意味 |
---|---|---|---|
theoretical | theory | 理論 | 理論的、理論的な |
central | centre | 中心 | 中心的、中心的な |
みないな感じ?でいきたいわけです。いきます。
この information はどんな<fc #ff0000>理論的</fc> treatment に対しても<fc #ff0000>中心的な</fc> quantity である Hamiltonian の中に全て含まれる
theoreticalのほうは「どんな」っていう「な」で終わる言葉が既についているので「な」無しに、centralのほうはこの修飾語しかつかないので「な」をつけて「的な」にしてみました。
さあいよいよ名詞です。このルー大柴流は最後まで名詞は外来語扱いで、っていうのがこつっちゃあこつかな。
名 詞(▼4以外では無冠詞単数形. 集合的に用いる)U
これは問題なく「情報」でいいでしょう。
名 詞•U•C
結構これは難しい。「理論的取り扱い」「理論的扱い」「理論的処置」「理論的処理」「理論的記述法」どれも何となく有りそで無さそで。こうゆうときには日頃の読書量がものを言います。私にとっては「理論的取り扱い」しかあり得ないんですが、意味としては上に並べてみたような日本語(もどき)が意味するんじゃないかなあと皆さんが考えるような概念が、その意味です。
名 詞(複-ties)
これは難しい。正真正銘難しい。訳語としては最初の「量」でいいんですが。このquantityという概念、 これこそが、大学で科学や工学を学んだ後に習得していて欲しい概念なんですね。quantityとquality, quantityとvalue.これらの概念を自在に使いこなせるようになってください。卒業研究の考察(討論)を書く前に。
adjective
noun
DERIVATIVES
これは普通の辞書には載っていません。上はLeopard付属のNew Oxford American Dictionaryの結果です。下は広辞苑ですね。何にせよ量子力学に出てくるあのハミルトニアンです。みんな好きでしょ?私は大好きです。 というわけで、
この<fc #ff0000>情報</fc>はどんな理論的<fc #ff0000>取り扱い</fc>に対しても中心的な<fc #ff0000>量</fc>である<fc #ff0000>ハミルトニアン</fc>の中に全て含まれる
まだこれで完成じゃないで。