目次

表面の上の分子の回転 2.2

Ru表面やPF3分子とはどのようなものでしょうか

Ru表面上のPF3分子の吸着の様子

PF3の吸着

PF3分子がRu表面に吸着するときには、図のようにリン原子を下に向けて落下傘のような格好でRu原子の真上(atop席)に吸着します。分子が吸着する場所は表面と吸着する物質との組み合わせで決まっていて、PF3分子がルテニウムの表面に吸着するときにはatop席に吸着します。

飽和吸着

ルテニウムの表面の原子と原子の間隔よりPF3分子の差し渡しのほうが大きいので、すでに一つPF3分子が吸着しているとそのすぐ隣の原子の上には吸着できません。最も詰め込んだときは、図のように分子が規則的に並んでいます。この並び方は分子の中心が作る三角形の一辺の長さがルテニウム原子がつくる三角形の√3倍になっていることから√3×√3構造と呼ばれています。この場合には表面ルテニウムの数の1/3の数の3フッ化リン分子がついています。このことを被覆度が1/3MLであるといいます。少しだけ吸着しているときには規則的な模様はできません。


目次

  1. Ru表面やPF3分子とはどのようなものでしょうか
    1. Ru表面上のPF3分子の吸着の様子
  2. 表面上でPF3分子はどのように回転しているのでしょうか
  3. どのように考えたら回転状態を説明できるでしょうか
  4. その考え方でうまくいくかどうか検証してみましょう