====== USA ====== ===== Honolulu(O'ahu island) ===== これを言うと、たいがい不思議がられるのだが、私は合衆国に行ったことがない。正確には、合衆国本土(アメリカ大陸)に行ったことがない。というわけで、私の行ったことがある合衆国の領域はこのハワイ州オアフ島だけである。1992年だか1993年だかのGoldon Research Conferenceでオアフ島の北端タートルベイの高級リゾートホテルで開催された会議に参加した際の体験だけが私の合衆国経験といってよい。 2001年にIVC((International Vacuum Congress))が西海岸であったとき参加する予定にしていたのだが、かの9.11テロ直後の渡航自粛令のせいで機会を逸してしまった。今のところ次の予定はない。 だって、同じ年に合衆国と欧州とで国際会議が有ったら絶対欧州へ行くもんね。合衆国嫌い。欧州好き。 ===== Goldon Research Conference その1 ===== Goldon Research Conferenceってのは、ご存知の方もあると思うが、invitationがこないと参加できない。 もちろん、大概の国際会議は申込が受理されなければ参加できないわけでGoldon Research Conferenceだけが特別なわけではないのだが、やっぱり大概の国際会議の審査って言うのは、うちの業界の場合に限って言うと、よっぽど「ト」な方にお引き取り願うためだけのもので、申込が受理されないなどということは通常あり得ない。 ところが、Goldon Research Conferenceは結構定員が少なくて、たとえばここで話題にしているGoldon Research Conferenceだとタートルベイの高級リゾートホテルに宿泊できる程度の人数しか参加できないわけで、申込をしてもinvitationが来ない可能性は結構高かったのだ。 このとき、うちの研究室からは教授のY先生と当時学生だったY君と当時助手だった私とが参加申込をした。((知り合いの方には伏せ字にする意味もないのだが、一応どっちもイニシャルがYだというのが面白いんでY先生とY君でいきます。))その結果、Y教授と私にだけinvitationが届きY君には残念ながら届かなかった。「やっぱり学生じゃあだめだったか」とみんな納得してY先生と私は南国へ。Y君は一人岡山で留守番ということになった。ところが向こうに行って主催者から話を聞くとinvitationは三人全員に送ったとのこと。キツネにつままれたような面持ちで帰国した。で、解ったことはというと、岡山理科大学は英語でOkayama University of Scienceっていうんだけど、近くに岡山大学(Okayama University)ってのがあって、外国の人は((国内の人もだが))よくof Scienceを落としちゃうことがある。ちゃんと書いてあってもこんどは郵便配達の人が見落としちゃうってことがよくあって郵便物が岡山大学のほうに行っちゃうってことがよくある。正確には**よくあった**。おかげで、査読が遅れた理由に使わせてもらったりもしたんだけど、最近はあんまりそういうことも無くなった。そもそも大事な連絡は郵便ではなく電子メールのほうが多くなったし。で、そのときはY君宛のinvitationが岡大に行っちゃってて、会議には間に合わなかったということだった。((Y君は今ではY先生なんだけど今でも何かというとこのときのことを持ち出しで愚痴るんだよね。)) ===== Goldon Research Conference その2 ===== タートルベイの会議はアメリカ(合衆国)人と日本人だけの会議だったんだけどゲストでエルゼビアの編集者が来ていて、途中で彼((彼だった))が変なことを言い始めた。 せっかく若い人が多く参加しているから若い人に日米の科学政策について議論して欲しいとかなんとか。残念ながら私はあんまり発言できなかったんだけど、 昼食時に近くにいたアメリカ人の自分とおんなじくらい若いヤツを捕まえて、 「さっきのはフェアじゃない。我々は物理に関しては英語で議論するだけの教育を受けているし実際にできるけど、経済や政治の議論はあんまり得意じゃない。」 といった。これに対する彼((彼だった))の応えが振るっていた。
おまえら大学出てんだろ
この話、いろんなとこでするんだけど、たいていは「『じゃあおまえらフランス語でできんのか』と行ってやればよかったのに」とか言われる。まあ、その通りで、ヨーロッパ人やアジア人しかいないところでは、「なんで俺達英語でしゃべってんだ」「だってあいつら(アメリカ人)英語しかできねえじゃねえか」なんて言ったりもしているわけだが。私自身、本音を言うとあのアメリカのにいちゃんの言い分は正しいと思う。大学出てるんだから大概の話題について英語で話ができるのが当たり前じゃなきゃおかしい。実際、大学を出ているヨーロッパ人や(日本以外の)アジア人はそれができてんだから。 だいたい国際会議のバンケットとかでも日本人は物理の話ばっかりなんだよね。 学振でやってるフォーサイトプログラムの食事ではむしろ物理教育、学生の就職、政府のポスドク政策について話題((一番多い話題は「なんで物理には女子学生が少ないんだ」って話題。これは日中韓で程度の差はあるものの共通らしい。))にすることが多くて、みんながみんなってわけでもないんだが。