====== 表面の上の分子の回転 2.2 ======
Ru表面やPF3分子とはどのようなものでしょうか
===== Ru表面上のPF3分子の吸着の様子 =====
==== PF3の吸着 ====
PF3分子がRu表面に[[用語|吸着]]するときには、図のようにリン原子を下に向けて落下傘のような格好でRu原子の真上(atop席)に吸着します。分子が[[用語|吸着する場所]]は表面と吸着する物質との組み合わせで決まっていて、PF3分子がルテニウムの表面に吸着するときにはatop席に吸着します。
==== 飽和吸着 ====
ルテニウムの表面の原子と原子の間隔よりPF3分子の差し渡しのほうが大きいので、すでに一つPF3分子が吸着しているとその[[解説|すぐ隣の原子]]の上には吸着できません。最も詰め込んだときは、図のように分子が規則的に並んでいます。この並び方は分子の中心が作る三角形の一辺の長さがルテニウム原子がつくる三角形の√3倍になっていることから√3×√3構造と呼ばれています。この場合には表面ルテニウムの数の1/3の数の3フッ化リン分子がついています。このことを[[用語|被覆度]]が1/3MLであるといいます。少しだけ吸着しているときには規則的な模様はできません。
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===== 目次 =====
- [[pf3r1|はじめに]]
- Ru表面やPF3分子とはどのようなものでしょうか
- [[pf3r21|Ru表面と3フッ化リン分子]]
- **Ru表面上のPF3分子の吸着の様子**
- 表面上でPF3分子はどのように回転しているのでしょうか
- [[pf3r31|電子線刺激脱離イオン角度分布(ESDIAD)]]
- [[pf3r32|ESDIADの結果]]
- [[pf3r33|分子の向きの被覆度依存性]]
- どのように考えたら回転状態を説明できるでしょうか
- [[pf3r41|噛み合った歯車の模型]]
- [[pf3r42|回れる歯車と回れない歯車]]
- [[pf3r43|分子軌道計算]]
- [[pf3r44|歯車を回すエネルギー]]
- その考え方でうまくいくかどうか検証してみましょう
- [[pf3r51|計算機シミュレーション]]
- [[pf3r52|分子の間に力が働かない場合]]
- [[pf3r53|分子の間に分子の向きに応じた力が働く場合]]
- [[pf3r54|表面への吸着の様子]]
- [[pf3r6|結論]]