====== 卒業研究 ====== ===== 卒業研究の概要 ===== * **ナノデバイス構造の原子配列と電子状態**\\ 半導体・金属・絶縁体のそれぞれの表面に構築されたナノデバイス構造の原子配列や電子状態をモンテカルロ法や分子軌道法、疑ポテンシャル法を用いたコンピュータシミュレーションによって研究する。 * **ガス分子の吸着・拡散・脱離のコンピュータシミュレーション**\\ 燃料電池において重要な金属の表面と水素原子・分子の相互作用、一酸化炭素や一酸化窒素などの有害ガス対策において重要な金属触媒表面でのガス分子の反応過程、ナノデバイス構築において重要な原子スケールでの原子配列制御など、吸着・拡散・吸収・脱離現象をコンピュータシミュレーションによって研究する。 * **コンピュータシミュレーションの高速化および効率化**\\ 複数の計算機をネットワークで繋ぎ,並列計算を行うことにより,テーマ1, テーマ2で使用される計算機シミュレーションを高速かつ効率的に行うための方法を研究する. ===== 卒業研究テーマ ===== - **静的モンテカルロ法による表面構造**\\ 現象論的模型に対しメトロポリスアルゴリズムを用いて表面での原子配列の温度変化や組成変化を研究する。 - **動的モンテカルロ法による表面動的過程**\\ マキシムの方法などを用いて表面拡散、結晶成長、昇華などの動的過程を研究する。 - **第一原理分子軌道計算による電子状態・原子配列**\\ クラスター模型を用い分子軌道法により表面の電子状態や原子配列を研究する。 - **経験的分子動力学計算による電子状態・原子配列**\\ 経験的ポテンシャルを用い、運動方程式を直接解くことにより原子の運動を研究する。 - **第一原理疑ポテンシャル計算による電子状態・原子配列**\\ 周期的に薄膜を並べた模型を用い表面の電子状態や原子配列を研究する。 実際に取扱う物質は最新の学術論文から選択する。 最近は特に**第一原理疑ポテンシャル計算**に力を入れている。 ===== 卒研ゼミのスケジュール ===== ; 4月〜7月上旬 : [[gross|輪講]](週2回)卒業研究に必要な英語論文を読むための概念や専門用語の解説 : [[:seminar:web_seminar|計算機実習]](週1回)計算環境の構築と各種アプリケーションの使い方の実習 ; 7月中旬〜夏休み前 : 卒論テーマ選定、論文検索、夏休みの調べ物が決まり次第夏休みへ ; 夏休み : 論文読み ; 9月下旬〜10月下旬 : 夏休みの課題発表、卒業研究の具体的な作業計画 ; 11月 : 準備計算、小さい系でのお試し計算など ; 12月 : 本計算の仕込み。仕込みができ次第冬休み ; 冬休み : 人間はコタツでまるくなる。計算機はひたすら仕事。初詣では「停電が無いこと」をよく祈っておくこと。**停電則留**である。 ; 冬休み明け〜1月下旬 : 計算結果を考察し、卒論を仕上げる。 ; 2月上旬 : 卒論提出 ; 2月中旬 : 卒業研究発表会。卒論発表会終了後掃除が終わったら**人生最後の春休み**。ただし、大学院進学者はもう引退するまで春休みは無いので覚悟しておくこと。 ===== 過去の卒業研究題目 ===== ; 2021年度 : Li挿入二層グラフェンの第一原理計算 : 互いに回転した二層グラフェンの第一原理計算 ; 2020年度 : GaN(001)スラブ模型の第一原理計算 : Cu(111)表面上の水分子の第一原理計算 ; 2019年度 : 金属表面上におけるシリセンの電子状態 : ルチル型酸化チタン(110)の酸素空孔における電子状態 : 4 層グラフェンの積層と電子状態 ; 2018年度 : 互いに回転した二層のグラフェンの電子状態 : a-TiO2の酸素欠損と電子状態 : Graphen/hBN層の電子状態 ; 2017年度 : h-BN上におけるグラフェンの熱的運動 : 三層グラフェンの電子状態と積層の関係 : 窒素をドーピングしたグラフェンの機械的性質 ; 2016年度 : 窒素をドーピングしたグラフェンの電子特性 : 二層グラフェンの電子状態の積層依存性 ; 2015年度 : (修士論文) Theoretical analysis of atomic arrangement of gold adsorbed Si(111) 5×2 reconstructed surface system : 金属を挿入した二層グラフェンのフェミル面の形状 : グラフェン吸着Co原子の磁気モーメントの第一原理計算 : Si(111)-(6×6)Au再構成の原子配列と電子状態 ; 2014年度 : Ge(111)√13×√13-Coの第一原理計算 : Ag(111)√3×√3-Geの電子状態 : Bドープグラフェンの原子配列と電子状態 : グラフェンナノリボンのリボン端形状と電子状態 ; 2013年度 : (修士論文) グラフェン表面上の吸着水素原子の有効ポテンシャルと有効相互作用 : 互いに回転した二重層グラフェンの電子の分散関係 : ゲルマニウム(001)4×2再構成表面の弾性特性 : シリコン(111)5×2金吸着表面の原子配列 ; 2012年度 : 第一原理計算による回転した2 重層グラフェンの電子状態 : 第一原理計算によるグラフェン表面上での水素原子の動的過程 : 第一原理計算によるシリセンの電子状態 ; 2011年度 : 第一原理計算によるNaグラフェン層間化合物の電子状態 : 第一原理計算による水素修飾グラフェンの電子状態 ; 2010年度 : グラフェン薄膜の構造と電子状態の第一原理計算 ; 2009年度 : Si(111)3x3-Sn表面の原子配列 : Al原子ワイヤの第一原理計算 ; 2008年度 : Ge(111)-3x3-Sn表面の第一原理計算 : 第一原理計算によるNaCl:Liのオフセンター変位 ; 2007年度 : 水素吸着シリコン(100)表面の第一原理計算 : 銅(110)表面吸着水分子の第一原理計算 : 塩化ナトリウム結晶中のFセンターの第一原理計算 ; 2006年度 : In吸着Si(111)再構成表面の第一原理計算(文献調査) : In吸着Si(100)4×3表面再構成構造の安定性 : Si(100)表面吸着水素原子の吸着・脱離過程 ; 2005年度 : 修士論文 Si(001)表面吸着アルカリ土類金属の吸着構造 : Ba吸着Si(001)表面のSTM像のシミュレーション : 分子軌道法によるGaAs(100)4x2構造のシミュレーション : PCによる並列計算システムの構築と非対称並列計算の試み ; 2004年度 : Si(100)表面のMg吸着構造の第一原理計算 : Si(111)表面におけるTlの吸着構造 : Si(100)上のCl原子hopping運動に関する第一原理計算 ; 2003年度 : III-V化合物半導体(110)表面のK原子鎖 : Si(100)表面吸着PH3の計算機実験 : Si(100)表面上のAlマジッククラスタの安定性 ; 2002年度 : 第一原理分子軌道法によるSi(100)c(4x4)表面の構造と安定性 : Si(100)表面上に吸着したBiダイマー間に働く相互作用 : 第一原理擬ポテンシャル法によるPd(110)2x1-CO吸着表面の構造 : 第一原理分子軌道法によるSi(100)表面SiH4吸着過程 ; 2001年度 : Sb吸着InAs(100)表面の構造 : Si(111)表面上のPb原子の運動 : 3C-SiC(001)の表面電子状態 ; 2000年度 : Sb終端GaAs(001)表面再構成の計算機実験 : Si(100)-Ge吸着系の表面再構成 : Pd(111)表面及びIr(111)表面における原子クラスターの拡散(文献調査) : Pt(111)表面上のPtクラスタの拡散の計算機実験 ; 1999年度 : GaAs(001)-(6x6)表面再構成の原子配列 : 水素吸着Si(100)表面上の二水素化物の第一原理計算 : 経験的分子動力学法による金表面とナノブリッジの構造 ; 1998年度 : Pd(110)表面吸着エチレンの吸着子間相互作用の決定 : Be吸着GaAs(001)表面の異方的秩序 : Ga-rich GaAs(001)表面再構成の計算機実験 ; 1997年度 : 鉛吸着ゲルマニウム(001)表面再構成の計算機実験 : Si(001)面上のダイマー欠陥の計算機実験 : SiドープGaAs(001)表面再構成の計算機実験